💡 まず「VPNでpingが通らない」の正体

ゲーム中にVPNをONにしたら突然“Request timed out.”、リモートのサーバーもping応答ナシ…あるあるですね。結論から言うと、これは「遅い」以前に“ICMP（pingの通信）がどこかで落ちてる/遮断されてる”状態。相手側やVPN側がICMPを拒否していることも多く、速度の問題とは別軸で切り分けが必要です。

この記事では、日本の回線事情と実際の相談パターンを踏まえつつ、「どこをどう見れば最短で直せるか」を順に整理します。まずはICMPブロックの見分け方、次にスプリットトンネルやキルスイッチ、MTU不一致、IPv6/DNS、二重NAT/CGNAT、ルーターのVPN非対応やファーム問題まで実践的にチェック。さらに、経路最適化でレイテンシ改善が期待できる最新トレンドも軽く触れます（SurfsharkのFastTrackなど。参考: [MENAFN, 2025-08-11]）。

「とりあえず全部やる」は時間ロス。この記事の表どおりに優先度順でチェックすれば、5〜10分で原因のアタリを付けられます。ルーター側でのVPN運用については、メーカーのサポート確認やファーム更新・代替ファーム（DD-WRT/Tomato/OpenWRT/FreshTomato）の注意点もまとめたので、無駄な“文鎮化”を避けつつ安全に攻めましょう。

📊 VPNでpingが通らない時の優先度チェック表

🔥 優先度🧩 原因候補🔎 主な症状🛠️ まず試すこと⏱️ 目安✅ 成功の目印
高ICMPフィルタリング（VPN/相手先/FW）pingのみNG・Web/ゲームは動く別IPへping、tracert/mtr、TCP/UDPで代替テスト5分別宛先で応答 or TCPベースで応答
高スプリットトンネル誤設定アプリだけVPN外/内で不整合アプリ/サイトを一時的に「トンネル経由」に固定5分アプリからの疎通が復活
高キルスイッチ/脅威ブロックVPN切断時は疎通ゼロ機能を一時OFF→挙動確認3分OFFで疎通、ONで遮断の差
中MTU不一致/フラグメント禁止大きなパケットだけ失敗Path MTUテスト→MTUを1280–1420で最適化10分ロス/再送が激減
中IPv6の扱い/リークv4はOK・v6で不具合IPv6を一時無効 or v6対応サーバーへ切替5分v4/v6どちらでも安定
中DNS解決の揺れホスト名pingのみNGIP直打ち、DNSをプロバイダ→VPN内/1.1.1.1へ5分IP直打ちで応答→DNS調整で解決
低企業VPNポリシーのICMP遮断会社VPN中は常にping不可社内規程を確認（変更不可の場合あり）—仕様と割り切る
低二重NAT/CGNAT一部アプリだけ不達モデムをブリッジ、UPnP/PMP確認、VPNサーバー変更15分到達性/待ち時間が安定
低プロトコルの相性（UDP/TCP）特定ISPで不安定WireGuard⇄OpenVPN（UDP/TCP）切替3分片方で顕著に改善
低ルーターのVPN非対応/古いFW接続はするが挙動がヘンFW更新、パススルー有効化、対応機への見直し20分安定性向上/エラー減少

この表は、現場で多い順かつ手早く切り分けられる順に並べています。まず“ICMPだけダメ”かどうかを見極めるのがカギ。Webやゲームは動いているのにpingだけ沈黙なら、相手側（ゲームサーバー/ホスティング）やVPNサーバー、ローカル/ルーターのファイアウォールでICMPが落ちている可能性が高いです。そんな時は「tracert/mtr」で経路のどこで止まるかを可視化しつつ、TCP/UDPベースの疎通テスト（tcppingやポートチェッカー）で“通信そのもの”が通るか検証しましょう。

スプリットトンネルの誤設定も地味にハマりがち。アプリだけVPN外になっていたり、その逆だったり。アプリ単位やサイト単位で“必ずトンネル経由”に固定して一度挙動を揃えるのが早道です。MTU不一致は「大きいパケットだけ死ぬ」典型。Windowsの「ping -f -l 1400 8.8.8.8」などで最大サイズを探って、クライアントやルーター側でMTUを合わせると劇的に安定します。

最後に、ルーターやOSといった“土台”の更新は、回りくどい小手先より効くことも。とくにOSやドライバ、ファームウェアはパフォーマンスや安定性の改善が入り続けています（例: Windows 11 24H2は総合パフォーマンスで優位という報告あり。[ITAvinsen, 2025-08-11]）。ただし機器の更新はセキュリティ観点も重要。VPN機器/アプライアンスのゼロデイ悪用事例も報じられており、ドライバ管理やFW更新の適切運用は必須です（[WebProNews, 2025-08-10]）。

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💡 具体的な直し方ガイド（深掘り版）

  • まずは“ICMPだけ”なのかを切る

    • Web閲覧やゲームログインは動くのにpingだけNG→ICMPが遮断されている可能性大。相手サーバー側がICMPを拒否していることも普通にあります。IP直打ちでのアクセス（80/443）やTCPベースの疎通（tcpping、ポート443など）で“通信そのもの”の可否を確かめ、問題がICMP固有かを切り分けましょう。
    • tracert（Windows）/mtr（Linux/Mac）で経路上のどこで止まっているかを可視化。経路の途中で*が並んでも、最終到達できていれば中継ルーターがICMPを返していないだけで、異常ではない場合もあります。

  • プロトコル/サーバー選び直し

    • WireGuard⇄OpenVPN（UDP/TCP）を切り替えると挙動が大きく変わることがあります。日本の一部ISPではUDPが混む/絞られる時間帯も。TCPに切り替えて改善することもあれば、逆も然り。
    • 経路最適化機能を持つVPNはレイテンシ改善の期待値が高いです。たとえばSurfsharkが発表したFastTrackは、ユーザートラフィックの経路を最適化し最大70%の高速化を掲げています（回線・相手先依存。[MENAFN, 2025-08-11]）。

  • MTU最適化は地味に効く

    • VPNトンネルはヘッダー分だけ有効サイズが目減り。Windowsなら「ping -f -l 1400 8.8.8.8」でフラグメントの有無を見ながらサイズを追い込み、クライアント/ルーターのMTUを1280–1420の間で調整。ゲームや音声通話の“カクつき”がスッと消えるケース、ほんと多いです。

  • スプリットトンネル/キルスイッチの見直し

    • アプリ単位のスプリットが混乱のもとになっていることも。まずは対象アプリを“必ずトンネル経由”に固定し、挙動が正常化するかチェック。
    • キルスイッチや脅威ブロック（悪質サイト/トラッカー遮断）機能がICMPを巻き込むことがあります。一時的にOFF→再テストで差分を確認。

  • ルーター側の現実的オプション

    • いまのルーターがVPNに非対応/挙動が不安定なら、まずはメーカーサポートに互換性や推奨設定を確認し、公式ドキュメントをチェック。それでも厳しいならファームの更新、もしくはDD-WRT/Tomato/OpenWRT/FreshTomatoといった代替ファームの検討もアリ。ただしフラッシュは上級者向けで、失敗すると取り返しがつきません。事前確認は必須です。
    • セキュリティ面では、機器やドライバの脆弱性対応も忘れずに。SonicWall系アプライアンスのゼロデイ悪用やドライバ悪用（BYOVD）といった話も出ています。ファーム/ドライバ管理の徹底は“速度”以前に最重要（[WebProNews, 2025-08-10]）。

  • OS/ドライバ更新もバカにできない

    • ネットワークスタックやNICドライバの改善で、遅延・安定性が底上げされることがあります。Windows 11 24H2は総合パフォーマンス面で優位との検証もあり、アップデートで“なんか全体的に軽くなった”は現場あるある（[ITAvinsen, 2025-08-11]）。

  • それでもダメなら“仕様”の見極め

    • 会社のVPNはICMPを仕様で禁止していることが多いです。ポリシー外ならどうにもなりません。代替として、アプリが使うTCP/UDPポートでの疎通（telnet/nping/hping3など）で実運用に支障がないかを確認しましょう。

  • 乗り換え基準

    • 日本ロケーションの数/品質、WireGuard実装、経路最適化機能、オブフスケーション（難読化）、24hサポート。このあたりが“レイテンシ/到達性”の差になりやすいポイント。迷ったら上位プロバイダーを短期で2〜3社試し、実アプリでの体感で決めるのが最短です。

🙋 よくある質問

❓ SurfsharkのFastTrackって本当に速いの？ゲームのpingも下がる？

💬 ベースは「経路最適化」です。ユーザーのトラフィックをより良い経路に流して最大70%高速化とうたわれています（回線や相手先次第）。ゲームのping改善が出るケースはありますが、ICMP自体がブロックされている場合は経路改善だけでは“ping応答”は戻りません。速度と安定性向上目的で試す価値はアリ。参照: [MENAFN, 2025-08-11]

🛠️ MTUはどれくらいに設定すればいい？

💬 万能解はありませんが、WireGuardやOpenVPNでトンネルを張ると1280–1420の間が安定しやすいです。Windowsなら「ping -f -l 1400 8.8.8.8」→フラグメント発生なら少しずつ下げて“通る最大値+28”前後を目安に（ヘッダー分）。面倒なら一旦1400→問題なければ1420へ微調整でOK。

🧠 ルーターでVPNが不安定。ファーム更新やDD-WRTは入れるべき？

💬 まずメーカーのサポートに互換性を確認、公式ドキュメントを熟読が鉄則。更新で改善することは多いけど、誤ったフラッシュは“文鎮化”のリスク。DD-WRT/Tomato/OpenWRT/FreshTomatoは強力ですが、自己責任の上級者向け。加えて機器の脆弱性対応も重要です（例: SonicWallのゼロデイ悪用に関する報告）。参照: [WebProNews, 2025-08-10]

🧩 まとめ…

  • “遅い”の前に“ICMPが通らないだけ”かを切り分け。
  • スプリットトンネル、キルスイッチ、MTU、IPv6/DNSの順で手際よく確認。
  • ルーター/OS/ドライバは土台。更新と設定で化けることも多い。
  • 経路最適化やプロトコル切替は体感差が出やすい即効薬。
  • 企業VPNのICMP遮断は“仕様”。代替の疎通確認に切り替えよう。

📚 参考リンク（深掘りしたい人向け）

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